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  スペイン宝飾品 産業

* スペイン宝飾品のルーツは紀元前3000年にさかのぼる

スペイン宝飾品の起源は、金石併用期 (石器時代から青銅器時代への移行期)にあたる紀元前3000―1700年にさかのぼります。 旧石器時代後期のイベリア半島では、掘り出されたままの銅や金などの金属をたたいて形を作り、装身具として用いましたが、金石併用期になって、金属を加熱加工するようになりました。その後、紀元前3世紀までの間は、ケルト、フェニキアが、また紀元前2世紀から紀元後3世紀にかけては、ギリシャとローマが、イベリア半島の宝飾品にそれぞれの文化の足跡をしるしました。 中世初期には、西ゴートとアラブ人がイベリアの宝飾品に影響を与え、13世紀から15世紀には、絵画や彫刻が大きい影響を与えました。このようにスペインの宝飾品は、様々な異文化との交流を経て、洗練され、今日に至ったのです。

* ユニークでトレンディなスペイン・ジュエリー
世界を一日で旅する事ができる現代、あふれるばかりの情報が飛び交い、文化の交流が盛んな今日、他の文化の影響をまったく受けないということは、ほとんどありえないでしょう。その意味では、スペインの宝飾品と他国のものとの相違点をあげることは、かなり難しいことと言えます。  しかし、特にスペインの宝飾品には、いくつかの優れた特徴をあげることができます。

1) スペインで作られるジュエリーは、スペイン人対象のものと、輸出先のユーザー対象のものとに分けられます。それぞれに、ユーザーのテーストをふまえた特徴のあるものがつくられています。

2) スペイン国内向けに作られるジュエリーは、ほとんど女性用で、やや小柄のスペイン人をイメージしてつくられています。 したがって、イヤリング、リング、ブレスレットなども、どちらかというと小さめのものが主流です。素材は、K18製で、地金だけのもの、石付きで貴石、半貴石のものなど種々あり、石の形は、丸球、半球、幾何学的カットのものから、動物、花をデザインしたものなど多彩です。多くは、比較的軽く、価格は安いものから中価格帯の物が主流。スペイン国内で、最もポピュラーなアイテムはイヤリング、次いでリング、ブレスレット、ネックレスの順です。

3) 輸出向けのものは、国内向けのものとは、かなり趣を異にしています。サイズは大きめでトレンディーですが、大きさに比べて軽いものが多くなっています。スペインの輸出用ジュエリーメーカーは、商品を軽く作ることに専門的な技術をもっています。これらの宝飾品を購入する人は、その代金を主にジュエリーのデザインや細工の技術に対して支払うのであって、ジュエリーに含まれているK18の量に対して支払う分はそれほど多くないといえます。 一方、イタリア製の宝飾品はどちらかといえば、この逆で、同じ大きさのジュエリーの重さは、スペインの物に比べて、少なくとも2倍の重さがあります。このことからも、それぞれの国のジュエリーの特徴が若干うかがわれます。

4) スペイン宝飾品の中で、最近特に目を引いているのが、 "デザイン & コンセプト・グループ"の商品です。これらの商品は、より独創性をもって開発、制作され、限定数だけつくられています。過去の芸術運動に啓発されたデザイン、たとえば、カタルーニャ現代派や、アントニ・ガウディの作品をモチーフとしたものなどがあります。また形やコンセプトについて、様々な方向から分析し、その結果から出来上がった作品もあり、棚やテーブルトップ、モニュメント、ビルディングなど、われわれを取り巻く日常的なものの中から、発想されたジュエリーもあります。

5) スペインの宝飾品も、輸出を契機としてスタイルの国際化を生み、ほとんどの市場で幅広く受け入れられています。日本の市場では洗練されたユーザーが、ユニークで特徴のある商品を求めています。このユニークネスは、エスニックジュエリーやコンセプト・ジュエリーの中に見つけることができます。スペインジュエリーは、このようにさまざまなユーザーのニーズを敏感にキャッチし、トレンディーでファッショナブルな商品開発に努力しています。

* スペイン宝飾品の4大産地

スペインの宝飾品産業の主要な地域は、コルドバ、バレンシア、バルセロナ、マドリッド、ラ・コルーニャ、サラゴサ、バレアーレス諸島です。このうち、最初の4つが主要な産地といえます。コルドバ l コルドバはスペイン南部のアンダルシア州にあり、スペイン最大の宝飾品の生産地です。コルドバの人口の約半分近くが宝飾品産業に関連をもつくらい、この都市の主要産業となっています。生産される宝飾品のほとんどは、コマーシャルラインで、ゴールドやシルバーのマス・プロダクションものが多くなっています。バレンシア l スペイン東部、地中海に面した港湾都市であるバレンシアは、スペイン第2の宝飾品の産地で、海外輸出額の最大シェアーを誇っています。バレンシアは、スペイン第3の都市で、特に製造業が発達しています。作られている宝飾品は、石付き・石なしのゴールドやシルバーのジュエリーで、低・中価格帯のマス・プロダクションものが主力です。バルセロナ l スペイン北東部、カタルーニャ州の州都でスペイン第2の都市であるバルセロナは、最も発達した産業都市です。宝飾品メーカーの多くは、市街中心部にあり、製造している商品は、中価格帯から高価格帯の、ハンドメイドの一品ものを得意としております。マドリード l スペインの首都(人口400万人)で、産業面も重要なマドリッドの市内には、多くの宝飾品メーカーがあります。王室御用達であるブランドメーカーのいくつかもここにあります。大量生産の低価格のものから、ハイ・ジュエリーまで、幅広い商品を作っています。小規模ハンドメイド方式と、機械生産方式のジュエリー作りスペインには、約2000社の宝飾品メーカーがあり、そのうち約200社が大手企業、約500社が中・小規模、残りの1300社が零細企業に区分されます。従業員数が、7―30名のところがほとんどです。4―6名の家内工業的な規模のところもある一方、従業員数50―200名のところもありますが、平均すると10―12名の規模といえるでしょう。多くのスペイン貴金属メーカーは、長い歴史の中で、特定の地域で家業として営んでいるものが多く、そのためハンド・メイドのユニークなものが多くなっています。しかし、従業員数が20名前後以上の企業の場合は、宝飾品製造の機械生産体制を整えており、生産技術もかなり進んでおります。最近は、企業の規模に関わらず、より優れた商品をユーザーに提供する為、多くのメーカーが、最新の生産設備を使って モノ作りを行うようになっています。宝飾品製造の技術は、キャストとプレスが主流ですが、全行程をハンド・メイドで作っているものもあります。また、エレクトロフォーミングの鋳造技術も普及しております。

* 厳しい検査を受けた確かな品質
ハンド・メイドの宝飾品は、熟練したクラフトマンの手で丹念に作られています。宝石や、真珠が、注意深くゴールドやシルバーの枠にセットされた時、更に付加価値のついたものとなります。ハンド・メイド商品は、その仕上げや磨きに様々な方法が用いられており、高い品質のものを供給することが可能になっています。完成した商品は、品質規準に合致しているかどうかの検査を受けます。スペインでは、"ナショナル・ロー・オブ・プレシャスメタル"の下に公的な検査機関があります。各自治州では、その規則に従い、各地のギルドや大手企業が設置する自社の検査機関の認可を行っていて、検査スタッフのレベルや、分析に必要な機材、分析の手順などについて、その条件に合致しているかどうか、厳しくチェックしています。その検査に合格すると、検定マークが打刻されます。 通常、スペインで作られた宝飾品は、、各製造業者の刻印が打たれていて、たとえば、C―24の表示は、C=Cordoba (B=Barcelona、 V=Valencia)を表し、24は製造業者の登録番号になっています。また、品位表示は、ゴールドの場合、750/000 と表示されま す。

* スペイン恒例のジュエリーフェアー

スペインでは毎年、主要な宝飾品の産地ごとに、ジュエリーフェアーが開催されています。

IBERJOYA (イベルホヤ)
1月と9月、マドリッドで開催されるスペイン最大のフェア (ギフトショー、及びアクセサリー展と同時開催)で、国内の製造業者、卸し売り業者、海外業者が参加します)

JOYACOR
3月、コルドバで開催され、出展社は、コルドバの製造業者と卸し売り業者

INTERNATIONAL JEWELRY FAIR OF VALENCIA
6月にバレンシアで開催され、主としてバレンシアを中心とする国内メーカーが出展します。PLAZA GALICIA9月にラ・コルーニャで開催され、出展社はガリシアの製造業者と卸し売り業者。

BARNAJOYA (バルナホヤ)
10月にバルセロナで開催されるフェアー。国内の製造業者、卸し売り業者及び、海外の業者も出展します。