言語の不思議

比較言語
比較言語の本を昔読んだとき、フィンランド語や、ハンガリー語との類似性が述べられていたことを思い出す。時の流れと共に、様々な環境要因によって、変化するのも言語の特徴である。

・アルジェリア の綴り の怪
英語ではAlgeria 、フランス語でも、Algerie、ドイツ語ではAlgerien、しか〜し、スペイン語では、Argelia と、見事LとRがひっくり返ってる。これを発見したときは、正直、ギネスものではないかと思った。 つまり、欧米系の言語で同じ地名などを書くとき、このように逆転する例は余り他にないのではと思う。

・なるほど マクドナルド
MacDonald ときに Macdonald M'Donald と変幻自在。 Mc Mc- M' いずれも、"son of " の意味ですね。O'サリバンの O'、 FitzジェラルドのFitz も同様。
また、--son のように、末尾に付く場合も同様である。 例えば、ジョンソンとかウィルソン とかのように。これらを、父称姓と言い、接尾辞、または接頭辞として使われる。デンマークでは−senの付くのも同様で、たとえばアンデルセンがそうであり、ドイツでは−sohnの場合がそれに該当し、たとえばメンデルスゾン。


・固有名詞の怪
アジア→パクさんは、 なぜ、Park パーク=公園 になってしまうんでしょう? 未だに疑問。
欧米か→ かつて私は ある有名な公園の二軒隣に居を構えていた。 その公園は、ステファン’ズ パークと書く、が、発音は スティーブンスパークだった。なんでやね

ん。ステファン寺院という名所もあるぐらいなのに。
英国で活躍する北欧出身のサッカー選手、リュンベリ(Ljungberg)、またテニスの世界でもエドバーグと書いてエドベリ。いまひとつぴんと来ない。映画の往年のスター、

イングリッド・バーグマンはそのままだけどね。 なんでバーグとならないのか摩訶不思議。
ポルトガル人の名前や地名の L。 これがUの発音になる。西欧言語の中でLをこのように発音する言語は他にない。日系人も多い、大都市サンパウロ、Sao Paulo と書くが、なぜ 「サン」なのに ポルトガル語だけ o が n の代わりを成すのかわからん。 また、ポルトガル語は平均的にトーンが高い気がする。

・バスクの怪
独特の文化と風俗を持つと言われる バスク。
紀元前210年、ピレネー山脈の東端からイベリアに侵入したローマの文献は、バスクの人たちを、Vasconesの名で呼び、その住地を、Vasconiaと呼んだ。
ピレネー山脈の両端、フランス・スペインにまたがって存在する小言語、バスク語は、古今に渡って周囲の言語、つまり印欧諸語とは本質的に異なる、孤立言語であるという

ことにかつて興味を持った覚えがある。
バスク人と聞くと、よく耳にする姓に、例えば Goikoechea があるが、goikoは、形容詞で ”高い”、eche は、”家”、-aは、接尾的な定冠詞と

のことである。
日本史上、いわゆる南蛮時代、渡来して布教をした有名な、フランシスコ・ザビエル (Xavier) <スペイン語読みでは ハビエル)の名も、元はバスク語の、 E

che-berri  (berriは、”新しい”の意) の訛りだそうである。

※因みに フランシスコ・ザビエルは ナバーラ州出身で、ナバーラ州にはバスク人もかなりいて、ナバーラをバスクに含める説と、含めない説 ともにある。
ザビエルはキリスト教布教で有名ですが、実はもうひとつ日本に大きく影響を与えた。それは上智大学の設立。当時のローマ教皇ピオ10世の命を受け、イエズス会によってに

創立されたのですが、その根源は16世紀に誕生したイエズス会の創立メンバーのひとり、聖フランシスコ・ザビエル(スペイン人)の志に遡る。1549年に来日したザビエルは、日本人が知的好奇心を持ち、理性的で道徳性も高いことに感銘を受け、「ミヤコに大学」を設けて、東西の文化・思想・宗教的交流の一大拠点にする構想を立てたことに始まる。

今でもバスク語と言えば、すぐ思い出す文章は、Nafaroa Euskadi da.  (ナバーラ は、 バスク だ。)
動詞 da が、末尾に来ている上に、発音が まさしく同じ。 
かつては、鼻に特徴有りとか、 血液型にRHマイナス が多いとか言われていたが、長い歴史の中での人種間の混血化、食べ物、気候etc. によって、失われていくようだ

。ガラパゴスの動植物の移り変わりもある意味、同じことが言えるかもしれない。私が半月ほど滞在したことがある、小笠原諸島も悲しいかな後を追っている。
話題は変わって、バスクの印象は、雨多く、緑多く、人々は、勤勉、そして誇り高い。
ピレネーの麓、自然に恵まれた、バスク、日本ではその独特な伝統ばかりがTVに取り上げられがちだが、一度足を運んでみる価値あり。

・インドネシアの地名の怪
インドネシアのある観光地の発音  このある地名を口に出すと、顔が赤くなってしまう。 拠って、ここにも書けない。

・最近ありとあらゆる国際機関の統計で上位を占め、日本から視察殺到のフィンランド
ここでもおもしろい同音異義語があるんですね〜。”シカ”は豚を意味し、”カニ”は小さなウサギ、”スシ”は狼、”クルクルパ”は通行証を意味するそうだ。

他にもアフリカのルワンダでは、”唐辛子”のことを、「ウルセエンダ」と呼ぶそうだ。

こんな風にみていくと、そうだ、スペイン語でも、最初の頃、笑っちゃったのが、 ”あほ”= ニンニク とか、 ”ばーか”=雌牛 でしょうか。

・外来語
外来語研究においては、借用時点の先着性という点はありますが、まあ、大雑把に言えば、古くは、タバコ、カッパ、パン、カルタなどが スペイン語・ポルトガル語系から普及、そして定着してきた。逆に日本からは、bonsai, Fuji-Yama, geisha, haiku, harakiri, ikebana, judo, kabuki, kamikaze, karate, kimono, sake, shogun, などが国外に出て行きました。 スマトラ沖大地震で更に有名になった tsunami もそうですね。 忘れちゃいけません、Karaoke もそうだし、 スペインのマーケットで 柿を発
見したとき、 なんて発音すれば通じるのだろうと思った 柿は、そのまま ”kaki" で良かったんですよね。
次に、例えば、車のネーミングを見てみると、多いこと、多いこと。 スペイン語から入ってきた言葉だけ見ても、クレスタ、セリカ、ファミリア、ドミンゴ、アバンテ、エスクード、グランデ、セフィーロ、シーマなどなど。少しアクセントの位置などが変わってますが、セリカ、セフィーロなど。車関係だけでなく、昨今は美容関連でも増加の一途。例えば、藤原紀香のシエロ(CIELO) も同じくスペイン語から。

言葉は奥が深い。 更に各国の諺・格言まで探っていけば、いろいろな発見に出会うのではないかと推測できる。まさしく言語の不思議かな。。。



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