アートコーナー
ART


インテリア・アートとして注目されている版画。
かつて銅版画普及の鍵となったのが、トランプカードでした。
リトグラフは、
ポスター(版が丈夫で大量に摺れ、作家の筆致を残す技法はポスターに最適)。
木版の普及と言う意味では、浮世絵でしょう。
その利便性、合理性を特徴として発展を遂げてきた版画に、スポットをあててみましょう。



 そもそも版画とは?

絶対的な定義は無さそうで、基本的には、自画、自刻、自摺、作家自身が容認したもの、そして限定番号及び署名したもの、この辺がキーポイントとなりそうです。

番外版画の数に決まりは?
正解は、単純に答えれば、ない。作家用のA.P.、贈呈用のP.P.、巡回展用のT.P.、摺り師用のB.A.T.,非売品のH.C.など様々存在します。私も、A.P.所蔵しておりますが、作家によってA.P.をP.P.と記す人がいるらしく、ウーン複雑怪奇。といっても、一般的には、10%―15%が範囲とのことですので、ちょっぴり安心。

エディション数に上限は?
原版の耐久性と作家の考えに左右されると、俗に言われますが、私個人の意見として、プラス、クライアント若しくはスポンサーにも左右されると加えたい。昔と違い、技術の進歩で、耐久性は上がり、近代では、版種にかかわらず、大量生産が可能になったため、数十部から100部程度は当たり前、多くて250部から300部というのが、常識的な線とされるに至りました。我が家でも、下は、エディション8から、上は500まで多岐に渡っておりますが、私の友人の中には、80が妥当な数と言う人もおります。

版画に手で色を?
木版や石版に施す事が多く、摺った作品に後から、着色する事をいいます。厳密に考えれば、全てがまったく同じ作品には、なり得ませんが、私個人から見れば、そこに作家の若干ではありますが、オリジナリティーが発揮され、あまり杓子定規に評価をしない方が、良いと思うのですが…。

石版画を金属で?
石版画といいながら、その属性の利点を利用して、亜鉛板やアルミ板をもちいるのが一般的となりました。版材を金属に変えても原理が同じ平版摺りとして、同質なものに仕上がるが、されど石にこだわる作家もいるようです。

オフセット・リトグラフは、印刷? or 版画?
印刷。ルーペで見れば、細かな網点があるので、それとわかるそうです。しかし、以前、某大手印刷会社での会議出席の際、記念品として、頂いた作品は、想像以上に精緻な刷り上がりゆえ、視覚的には、高級特殊印刷と、版画との境は、技術の進歩とともに、ますますボーダレスに為っているといっても、過言では、ないでしょう。

エディション表記、ローマ数字orアラビア数字?
エディションナンバーはサインとともに、鉛筆書きがほとんど。なれば、書き換えは、
その気になれば、表記の種類によらず行われるという事。結局、これは、“作家の好み”だそうです。

ポップアートとシルクスクリーン
近年、日本のマーケットで多く見られるのが、シルクスクリーンでしょう。特徴の一つに、画面に均一に色が乗る事があげられます。反面、ハーフトーンやグラジュエーションによる陰影や奥行きの表現が難しく、自然と幾何学的、抽象的な作品によく用いられるようになりましたが、最近のバリエーションの豊富さを見るにつけ、かつてのボブ・ディランの歌、“時代は変わる“といったところでしょうか。