『スペイン観光とスペイン情報』 2007号 月 《 サラゴサ特集!》 サラゴサ万博 開催期間2008年6月14日〜9月14日
2005年の愛知万博に続き、2008年6月14日には、アラゴン州の州都サラゴサ(Zaragoza)で国際博覧会が開催されます。スペイン国内で万博が開催されるのは、1992年のセビーヤ万博以来16年ぶり。今回の万博では、「水と持続可能な開発」をテーマに、資源としての水の管理、水と人間社会との共存について考えます。 「観光と情報2007年2月号」で、サラゴサ万博のプロジェクトをご紹介しましたが、現在着々と会場の建設や、RENFE(スペイン国鉄)デリシア駅と会場を結ぶ橋の建設をはじめとしたインフラ整備が進行中です。
工事が進む会場敷地内には、ビジターズセンターが設けられ、入口では、公式マスコット「フルービ」が迎えてくれます。 《万博会場見学ツアー》 来年6月の万博開始前に一足早く会場の見学が出来ます。ビジターズセンターを拠点に工事中の会場内を巡回するバスツアーは英語のガイド付きグループツアーも相談可。 《問合先》tel+34-976-70-2008 ‘水のマスコット’「フルービ」 120の候補から選ばれたサラゴサ万博の公式マスコット「フルービ」は、カタルーニャ出身のデザイナー、セルジ・ロペスが手がけ、雨の雫をモチーフにしたマスコット。フルービの姿はスペイン国内のテレビCMや街頭広告などで既に露出が始まっています。 ‘水の町’サラゴサ サラゴサの歴史地区がある旧市街と、万博会場がある新市街の間を流れるエブロ川はサラゴサ市民の生活に潤いを与えています。川面ではカヌー漕ぎの練習風景が、川沿いでは散歩したりジョギングしたりする人々の姿が見られます。また、エブロ川に架かる橋から聖母ピラール教会を眺めると、高く聳え立つ塔やドーム型の天井のスケールの大きさが感動的です。ライトアップされる夜は特にロマンティック。 ⇒サラゴサへのアクセス マドリッドとバルセロナ、そして北部ビルバオからほぼ同距離に位置するサラゴサへのアクセスは、陸路でのアクセスが一般的。マドリッドから日帰り旅行も可能。またユーレイルパス、インターレイルパス所持者には万博入場券が12%割引になるサービスも実施される予定。 マドリッド:高速鉄道AVEで1時間40分/バルセロナ:特急ALVIAで約3時間(高速鉄道建設中)www.renfe.es /ビルバオ:バスが便利。所要時間約4時間 www.continental-auto.es Goza Zaragoza! サラゴサを楽しもう! Gozar (ゴサール) とはスペイン語で「楽しむ」の動詞。つまり「Goza Zaragoza」(ゴサ サラゴサ)とは「サラゴサを楽しもう!」という意味。スペイン語はほとんどローマ字読みなので、語呂合わせが良いキャッチフレーズです。そんなサラゴサの楽しみ方の一例をテーマ別に提案します。
カエサラウグスタ劇場博物館(Teatro de Caesaraugusta) サラゴサの歴史はローマ帝王アウグストが植民地「カエサラウグスタ」を築いた紀元前14世紀に遡ります。博物館内には、出土されたローマ劇場が修復され、実際に歩いて見学できます。また、出土品の数々やローマ帝国がサラゴサに残した軌跡を辿るインスタレーションなどが展示されています。 アルハフェリア宮殿(Palacio de la
Aljaferia)※世界遺産 ローマ帝国滅亡後、西ゴード人による支配を経て、714年、サラゴサはイスラム教徒の支配下に置かれます。イベリア半島北部の戦略上重要な拠点として栄えた3世紀の間、イスラム教徒やユダヤ人、キリスト教徒が友好的に共生していたサラゴサには、ムデハル様式の建築物が多く見られます。代表的なムデハル建築がアルハフェリア宮殿です。11世紀に建てられたこの宮殿はアルハンブラ宮殿を縮小したような印象で、繊細な装飾が施された馬蹄型アーチや色鮮やかな天井飾りが見事です。また現在、この建物にはアラゴン州議会が置かれています。 サン・サルバドル大聖堂(Catedral de San
Salvador)※世界遺産 1162年にはレコンキスタ(国土回復運動)が終わり、アラゴン王国の形成に伴い首都サラゴサが誕生しました。この時代の変遷を象徴する建築が、地元では‘La Seo’と呼ばれ親しまれているサン・サルバドル大聖堂で、ロマネスクからネオクラシックまでの時代ごとの様式を取り入れたムデハル建築の傑作です。 聖母ピラール教会(Basilica de Nuestra
Senora del Pilar)
サラゴサ旧市街の中心地であるピラール広場に位置し、聖母マリアを崇拝するカトリック信者にとっては象徴的なスペイン最大の教会。空高くそびえる塔を備えたその外観のスケールに圧倒されるだけでなく、内部には、ゴヤの描いたフレスコ画をはじめ、アラバスタ(大理石)製の中央祭壇など芸術的価値の高い見どころが盛りだくさん。また、スペイン内戦時に受けた爆撃の跡が残る天井の一角が歴史を物語っています。
サラゴサの旧市街には‘トゥーボ’(Tubo=チューブ)と呼ばれる狭い小路があります。そこには、バルやレストラン、ワインバーなどがひしめき、昼夜問わず賑わっています。特に夜は地元っ子の社交場と化し、通りに溢れるほど人々が集まります。各店が独創的なタパスを競い合い、また他の大都市に比べて物価が安目なのでお手頃な値段でバルのはしご(スペインではこれを‘タペオ’と呼びます)が楽しめます。現在、業界でも注目を集め始めたアラゴン州産ワインのメニューも充実しています。アラゴンで是非お試し頂きたいのが、地元品種‘ガルナッチャ’を100%使用した赤ワイン。アラゴンでしか味わえないテロワールの味で、地元名産のジビエやラム、生ハムなど肉料理との相性もぴったりです。
18世紀の宮廷画家として活躍したゴヤはサラゴサから約45キロ郊外のフエンデトドス(Fuendetodos)に生まれました。簡素なゴヤの生家では、当時の家具や台所、資料などが見られ、宮廷画家として成功を収めた彼の生涯に思いを巡らせます。すぐ近くの版画美術館では、ゴヤ自身の世界観を四つのテーマに分けて作品を展示しています。その他サラゴサ市内にもゴヤの作品が展示されている美術館があります。 《アクセス》サラゴサバスターミナルよりSAMAR BUIL社のバスが一日2便運行。所要時間約1時間
夏のサラゴサでは夜も人々が街に繰り出します。観光客にとっても楽しみのオプションが盛りだくさん。トゥーボでバル巡りをするのもよし、夜の観光バスに乗ってライトアップされた旧市街や新市街の眺めを楽しむのもよし。また、スペイン語がわかる方はサラゴサの歴史上の人物に扮したガイドが旧市街を古典演劇を通して紹介する演劇ツアーに挑戦してみてはいかがでしょうか。 《夜間観光バス》(英・西・仏)料金:6.3ユーロ ※運行は7月〜10月 www.zaragozaturismo.es 《演劇ガイド》(西語)料金:10.4ユーロ ※夏季のみwww.zaragozaturismo.es tel. +34-902-201-212 《第28回 FITUR国際観光見本市開催》 史上最高の出展者数を記録!世界170地域から13,190社が参加予定。 FITURは観光大国スペインの首都マドリッドで、毎年世界で最初に行なわれる重要な国際観光見本市です。毎年成長を続け、今回は出展者数13,190社、展示面積10,000uとFITUR史上最大規模となります。 開催日時:2008年1月30日〜2月3日 www.fituronline.com 開催場所:マドリッド見本市会場(IFEMA)/住所: Parque Ferial Juan Carlos I,
Madrid ************************************************************************* 《 プラド美術館無料開放日変更》 先月末拡張工事が終了し、リニューアルオープンしたプラド美術館の一般無料開放日が下記の通り変更になりました。 公式ウェブサイトもリニューアル!
www.museodelprado.es 無料開放日:5月2日、5月18日、10月12日、11月19日、12月6日 無料開放時間:火曜〜土曜18時〜20時 日曜 17時〜20時 ************************************************************************* 《 ピカソ美術館休館》 バルセロナのピカソ美術館が常設展示品の入れ替え作業のために2008年1月7日〜14日休館となりますのでご注意下さい。 ************************************************************************* 《 2008年コルドバのパティオ祭り開催日決定》 先月の「観光と情報」に掲載した「2008年スペイン各地の主な祭り・文化イベントカレンダー」で予定日としてお知らせしていましたコルドバのパティオ祭りの開催日が2008年5月7日〜18日に決定しました。 ************************************************************************* 《スペイン初公開、ソローヤの巡回展》 2007年11月7日〜2009年7月スペイン6都市を巡回 バレンシア出身の現代美術画家ホアキン・ソローヤが1912年〜19年の晩年期に描いた14作品が、バレンシアを皮切りに、セビーヤ、マラガ、バルセロナ、ビルバオ、マドリッドの6都市の美術館を巡回します。これらの14作品はニューヨークのヒスパニック・ソサイエティー美術館に所蔵されているもので、スペイン国内で公開されるのは今回が初めてです。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||