『スペイン観光とスペイン情報』   2008 10月

《 2008年10月4日〜13日は、サラゴサのピラール祭へ 》
スペイン北東部、マドリッドとバルセロナの中間地点にあるサラゴサの町。今年は水をテーマにした「サラゴサ国際博覧会」も開催され、スペインで最も注目されている町の一つ。そのサラゴサで毎年10月12日前後1週間開催されるのが、サラゴサ最大の祭り「ピラール祭」。カーネーションなどの花々で華やかに彩られる聖母ピラール像が、この祭り一番の見どころです。 ピラール祭 (Fiestas del Pilar) 期日:2008年10月4日〜13日 場所:サラゴサ市内 ピラール広場など各所 アクセス:マドリッドまたはバルセロナから高速鉄道AVEで1時間半強 2時間。 ピラール祭公式サイト:www.fiestasdelpilar.com 祭りの概要 「ピラール」とはスペイン語で柱という意味で、この名はローマ時代(西暦40年)、当地で布教していた聖ヤコブの目の前の柱に、聖母マリアが現れたという言い伝えに由来します。この奇跡を記念して建立された大聖堂には「聖母ピラール像」が奉られ、サラゴサのみならずスペイン全土の守護聖母として崇められています。 ピラール祭では数多くのイベントが行われます。なかでもこの祭りの一番の見どころは、聖母ピラールへの「献花式」です。ピラール広場に設けられた仮設祭壇には聖母ピラール像が安置され、そこに大勢の人々が花を手向けるという儀式です。このほかにも、聖母に果物を授ける「献果式」や、ガラス製のランタンなどを手に練り歩く「ガラスの宗教行列」などがあります。特に子供達の人気を集めているのが、中世から伝わる街中に現れる「巨人」(ヒガンテ)と 「頭でっかち」(カベスードス)です。時に見物客に近づいてくるその愉快な「頭でっかち」の姿に、子供達の視線は釘付けになります。 これらの伝統的なメインイベントのほかに、花火大会やアラゴン州特産品市をはじめ、音楽ホールでのクラシック音楽コンサートなど、祭りと平行してたくさんのイベントが繰り広げられます。なかでも、アラゴン地方の民族舞踊「ホタ」のコンクールは人気の的です。また、このピラ−ル祭をもってスペインの闘牛のシーズンは閉幕し、いよいよ本格的な冬の訪れを迎えます。

≪10月12日 献花式≫
ピラール祭のメインイベントである献花式は、聖母ピラールの日である10月12日に行われます。朝早くに始まるこの儀式には、サラゴサやアラゴン州内からだけでなく、スペイン国内外から数十万人もの人々が参列し、聖母が安置された巨大な祭壇に花を手向けます。1940年代までは、教会内の聖母ピラールの礼拝堂をカーネーションや薔薇などの花々で飾っていました。今日のような一般参加型の献花式が初めて行われた1958年の参列者はわずか2000人でしたが、近年その数は1時間に2万5千人にものぼります。献花式は約8時間に渡って行われますので、合計約20万人もが聖母に花束を手向けていることになります。献花式に参列する人々は、民族衣装を着用しなければならないという条件があるため、行列を作っている献花者たちのカラフルな衣装も祭りに彩を添えています(どこの地方、国の民族衣装でも構いません!)。この献花式が終わると、赤やピンク、白など彩り豊かな花々で飾られた美しい祭壇が完成します。 サラゴサの町並み 聖母ピラール教会 聖母ピラール像。

【 献花式の豆知識 】
聖母ピラールといえば、アラゴン州だけでなく、スペイン語圏の守護聖母でもあります。スペインに限らず、南米をはじめとするさまざまな国々から献花への参加を希望する声が上がるため、「バーチャル献花式」も行われています。これは、21世紀のテクノロジーを駆使したもので、インターネットや携帯電話を通して、ネット上の聖母の足元に花を手向けることができるシステムです。これでサラゴサまで足を運べない方も、世界中のどこからでも、ピラール祭に参加できることになります!

≪10月13日 献果式≫
10月13日の昼には、聖母ピラールに果物を捧げる献果式が行われます。民族衣装を身にまとった数百人の人々は旧市街地中心部を練り歩き、ピラール広場の聖母像に地元の特産物を捧げます。祭りが終わると、集まった果物は、市内の援助団体に寄付されます。民族衣装の彩りと伝統音楽の音色が、祭りの雰囲気を盛り上げます。 献果式のルート:インデペンデンシア通り→スペイン広場→コソ→アルフォンソ1世通り→ピラール広場

≪10月13日 ガラスの宗教行列≫
10月13日、辺りが暗くなってくる19時半ごろ、ガラスの宗教行列が始まります。アラゴン州の民族衣装を着た数千人もの人々はランタンや団旗を片手に、聖母ピラールへの信仰心を表現するためこの宗教行列に参加します。光が灯されたガラス製のランタンや山車が、幻想的な雰囲気をかもし出します。

≪「巨人」と 「頭でっかち」≫
「頭でっかち」は、スペイン語で「カベスード」と呼ばれます。大きな被り物を被っているため、そのアンバランスな風貌が人気。子供達とじゃれ合ったり、写真を撮ったりと、祭り期間中は引っ張りだこです。「頭でっかち」は、高さ数メートルの「巨人」(スペイン語で「ヒガンテ」)と行動を共にします。

≪花火大会≫
ほぼ毎日、場所を変えながら開催されます。打ち上げ開始は21時頃。

≪民族舞踊「ホタ」≫
カスタネットを持って、歌い、飛び跳ねるように踊るアラゴン州に残る伝統舞踊。「ホタ」は、スペインのほかの地方で踊られることもありますが、アラゴン州のものが最も有名です。 サラゴサの見どころ スペイン第5位の人口を抱える都市、サラゴサ。街中にはエブロ川が流れ、その川岸に立つ聖母ピラール教会が美しい町の風景を織り成しています。聖母ピラール教会のほかにも、「アラゴン州のムデハル様式建造物群」としてユネスコの世界遺産に指定されているアルハフェリア宮殿や、「セオ」ことサン・サルバドル大聖堂は必見です。また、サラゴサ郊外のフエンデトドスの町は、スペインの絵画界の巨匠ゴヤの生まれ故郷。サラゴサ市内には、サラゴサ美術館や、エスパシオ・ゴヤ・イベルカハ、カモン・アスナル・イベルカハ美術館といった、ゴヤの作品を所蔵する美術館が名を連ねています。それでも物足りないほどのゴヤファンの方は、是非フエンデトドスの「ゴヤの生家・版画博物館」へ足を伸ばしてみましょう! 花火大会と聖母ピラール教会 民族舞踊 「ホタ」


《アウトレットのショッピングセンター in マドリッド&バルセロナ》
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