スペイン 情報 & 観光 ニュースレター (2004)

ダリ・イヤー2004プログラム

サルバドール・ダリ SALVADOR DALI I DOMENECH (1904年5月11日〜1989年1月23日)

1904年5月11日、フィゲラス(バルセロナの北、約140キロ) で生まれたダリは、幼少時代からデッサンや絵を描き始め、1922年マドリッドで本格的に美術の勉強を始めます。この時期に、同じ学生寮に入寮していたフェデリコ・ガルシア・ロルカ(詩人) やルイス・ブニュエル(映画監督) らと交友を深め、後に彼らと共に前衛的芸術作品を手がけていきます。

マドリッドでの学生生活を終えると、パリへ移りシュールレアリズム(超現実主義)の画家や作家グループと交流を深めます。この時期に描かれた、『大自慰者』, 『セックス・アピールの幽霊』, 『記憶の固執』 などは彼を代表的なシュールレアリズム派の旗手の一人として有名にしていきました。
1929年、後に彼の人生のパートナーとなる、若いロシア人女性ガラ(Gala)[本名Helena Ivanovna Diakonova]と知り合います。

第二次世界大戦勃発と同時に、サルバドール・ダリとガラはアメリカ合衆国へ渡ります。この地で、彼の現実主義的な作品が認められ大成功をおさめます。そして、映画、演劇、オペラやバレエの脚本などの絵画以外の制作活動にも着手し始め、この時代の代表的な著書に『サルバドール・ダリ秘められた生涯』があります。1940年代の作品には『焼きベーコンのある柔らかい自画像』、『パン籠』、『レダ・アトミカ』、『ポルトリガットの聖母』 などがあり、これらの作品によってダリはこの時代の画家として最も高い名声を手にします。1948年ダリはヨーロッパに戻り、ポルトリガット(カダケス)の自宅兼アトリエで過ごします。

1950〜60年代の彼の作品は、宗教、歴史、科学をテーマに取りあげています。この時代の代表的な作品には『十字架の聖ヨハネのキリスト』、『Galatea de las esferas』、『超立方体的人体』、『クリストーバル・コロンによるアメリカ大陸発見』、『最後の晩餐』 などがあります。

1970年代、ダリは生まれ故郷のフィゲラスにダリ劇場美術館[Teatro-Museo Dali] をオープンします。この美術館には彼の幼少時代から晩年までの作品が展示されています。ダリはガラ夫人が亡くなった後、一時期をプボールで過ごし、そして、晩年はフィゲラスのダリ美術館近くガラテアの塔で過ごしました。

1983年に創設されたガラ‐サルバドール・ダリ財団は、ダリの知的・芸術遺産の保護・振興に努めています。

? ダリ・イヤー特別展示


【ダリ大衆文化−Dali cultura de masas】
 絵画と20世紀の大衆文化のつながりを総合的に表現した300点以上のダリの油絵、デッサン、映画、オブジェなどの作品の展示。

《2004年1月27日〜5月23日》
 バルセロナ/カイシャ・フォーラム(CaixaForum) 
 住所:Avinguda Marques de Comillas 6-8,  
  08038 Barcelona
  TEL.: 93-476-8600 FAX: 93-476-8663
《2004年6月22日〜8月30日》 
  マドリッド/国立ソフィア王妃芸術文化センター
  住所:Santa Isabel, 52  28012 Madrid
  TEL..: 91-467-5062 FAX: 91-467-3163
 その後この特別展示はアメリカ合衆国フロリダ州のサン・ペテルスブルグ、オランダのロッテルダムでも開催されます。

【エンポルダ地方におけるダリ。エンポルダ地方のフォトグラファーの視線】
 (※エンポルダとはダリの故郷フィゲラスがある地方のことを指します。)
 専属のフォトグラファーが撮ったダリの写真、 約70点の展示。ポルトリガットのアトリエでの 製作中の写真や、プライベートな写真の展示。 これらの写真からは彼の作品製作に対する熱意が伝わってきます。

《2004年1〜2月》フィゲラス/エンポルダ美術館 
住所:Rambla, 2 17600 Figueres
TEL.: 972-50-2305 FAX: 972-51-0765
《2004年5〜6月》バルセロナ/パラウ・ロベルト 
住所:Passeig de Gracia, 107 08008
Barcelona TEL.: 93-238-4000

【ダリ・選択的類似性− Dali. Afinidades electivas】
絵画、デッサン、オブジェ、写真などを通してダリに影響を与えてきた芸術家達の美的感覚と 技法を紹介。
《2004年2月15日〜4月18日》 
バルセロナ/モハ邸ベルダゲールホール
住所:Rambla, 118 08002 Barcelona
TEL.: 93-316-2810 (EXT.8808)

【サルバドール・ダリのドン・キホーテ− El Quijote segun Salvador Dali】
ダリが魅了された文豪セルバンテス作「ドン・ キホーテ」の挿絵として描いたデッサン、水彩画を中心に展示。イラストレーターとしての ダリの一面を垣間見ることが出来ます。
《2004年3月15日〜11月1日》 
 プボール・ダリ美術館〈ガラ・ダリ城〉 
住所:Pubol 17120, La Pera

【ダリとロルカ-Dali & Lorca】
青年期の親友、詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカとダリの友情、芸術活動にふれます。
《2004年5月6日〜7月4日》   カタルーニャ歴史博物館など
【幼少・少年時代のダリの思い出− Recuerdos Intimos. Infancia y juventud de Salvador Dali】
1904年〜1926年までのダリの写真、学校の 成績表、玩具、幼児・学童向け雑誌への寄稿少年時代の作品、初期の展覧会のカタログなどを展示。
《2004年4月1日〜9月30日》
フィゲラス/カタルーニャ玩具美術館
住所:Rambla, 10 17600 Figueres
TEL.: 972-50-4585

【ダリ/ガウディ−Dali/Gaudi】
ダリはガウディが一般的に評価を得ていない頃から彼を賞賛し、特にミラ邸に魅了され、頻繁にこの建物へと足を運んでいました。ダリが天才建築家ガウディを表現した油絵、デッサン、写真、原稿などの展示。
《2004年4月5日〜5月10日》 バルセロナ 
カサ・ミラ内カタルーニャカイシャ文化センター
住所:La Pedrera, Pg. de Gracia, 92 
08008 Barcelona

【ダリの故郷−El Pais de Dali】
ダリが生涯を通して愛し、誇りに思ってきた故郷エンポルダを題材にした、幼少期から晩年期までの作品の展示。
《2004年5〜8月》フィゲラス/エンポルダ美術館
住所:Rambla, 2 17600 Figueres
TEL..: 972-50-2305 FAX: 972-51-0765

《2004年9月〜11月》 バルセロナ/カタルーニャ歴史博物館 
住所: Placa de Pau Vila, 3 08003 Barcelona
TEL.: 93-225-4700 FAX: 93-225-4758

【ダリと錯視−Dali y Las Ilusiones Opticas】 
視覚の錯覚効果について十分な知識を持ち
備えていたダリは、作品の製作段階で頻繁に
科学的手法や光学機器を用いました。それら
の錯視効果を駆使した作品を中心に展示。
《2004年6月14日〜9月12日》  ジローナ/シネマ博物館 
住所:Carrer Sequia, 1 17001 Girona 
TEL.: 972-41-2777 FAX: 972-41-3057

【イエロー・マニフェスト、ダリ、ガッシュ、モンタニャと反芸術運動−El Manifiesto Amarillo. Dali, Gasch, Montanya y el Antiarte】
  1928年3月サルバドール・ダリは美術評論家のセバスティア・ガッシュと文学評論家のルイス・モンタニャらと共にイエロー・マニフェスト(カタルーニャ反芸術宣言)を発表しました。この中でカタルーニャ地方(スペイン全土も含む意味で)においての前衛派芸術の最も重要な活動方針について、古典的文化を否定 し、 近代性を支持する旨述べています。この展示はイエロー・マニフェスト理論構築段階からその反響にまでわたっています。
《2004年6月17日〜9月26日》 
バルセロナ/ミロ財団 (Fundacio Joan Miro)
住所:Parc de Montjuic 08038 Barcelona
TEL.: 93-329-1908 FAX: 93-329-8609

【ダリとデッサン−Salvador Dali Dibujos】 
ダリは幼い頃からデッサンに熱中し、芸術活動の中で最も力を入れて取り組んできました。 日常の出来事、私生活などを描いたデッサンの展示。
《2004年5月29日〜11月1日》 
カダケス/カダケス市立美術館
住所:Narcis Monturiol, 15 17488 Cadaques

【著書を通して見るサルバドール・ダリSalvador Dali, una vida de libro】
ダリのイラスト、グラフィックデザイン、著作活動など様々な観点からダリに触れる。 展示は 「思春期と天性(1919-1922)」 「形成期(1923- 1928)」、「シュールレアリスム(1929-1940)」、 「アメリカへの冒険 (1941-1948)」、「文化革命へ(1949-1968)」 「美術館所蔵作品(1969- 1985)」の6つの年代に分けられています。
《2004年6月〜10月》
バルセロナ/カタルーニャ図書館
住所:Carrer de I’Hospital, 56 08001Barcelona 
TEL.: 93-270-2300 FAX: 93-270-2304

【ダリミタール−DALIMITAR】
ダリの作品展示ではなく、ダリが現代美術家に与えた影響を、現代芸術家の作品の展示を通して紹介。 
《2004年9月》フィゲラス/エンポルダ美術館 
住所: Rambla, 2 17600 Figueres
TEL: 972-50-2305 FAX: 972-51-0765

【ダリ選集?Salvador Dali, Antologica】
150の油絵作品を通して、ダリが手がけてきた絵画、執筆作品、バレエの演出、映画や理論など独創的な芸術活動を紹介するこの展示は、ダリ展示会のなかでも最も重要性の高いものといえます。シュールレアリズムの作品はもちろんのこと、ダリが興味を持っていた神話、歴史、科学などを題材にした作品の展示もあります。
《2004年9月5日〜2005年1月9日》
Palazzo Grassi (ベネチア・イタリア)
《2005年2月6日〜2005年5月15日》
Philadelphia Museum of Art (アメリカ)

【テレ・レカレンス/ヤマンドゥ・カノサ−  Tere Recarens / Yamandu Canosa】
「現代芸術家によるプロジェクト」と題されるこの展示では、ダリの作品から着想を得た大胆でエネルギッシュな作品を仕上げるテレ・レカレンスと、精神的自己分析を技法とするヤマンドゥ・カノサを取りあげます。
《2004年3月18日〜2004年6月7日》
バルセロナ/サンタ・モニカ芸術センター
住所:La Rambla, 7 08002 Barcelona

【ダリ写真展 ?Dali y el Retrato Complice  Fotografias de Autor】
写真を重要なコミュニケーション手段の一つと 考えるダリは、非常に個性豊かな表情で写真撮影に臨み、自己表現しています。シュールレアリズム史の中でも最も傑出した写真展といえます。ここでは、その数あるダリのポートレートから抜粋された写真を拡大し、写真に対するダリのコメントを添えて展示します。
《2003年10月〜2004年12月》 写真博覧会 
SONIMAGFOTOhttp://www.sonimagfoto.com
会場:FIRA BARCELONA モンジュイック

ダリ・イヤー記念シンポジウム・講演

【ダリと科学。新しい科学の境界と思考 クリエーターの集い】
科学に造詣の深いダリは、当時の科学者らとも懇親があり、この知識を作品に反映してきました。ダリの作品を通して見た、科学と美術のつながりについてのシンポジウム。
《2004年11月2〜4日》
フィゲラス/ダリ劇場美術館 

【ダリとダリ劇場美術館】
ダリ生誕100周年とダリ美術館創設30周年を記念して、ダリ劇場美術館にて世界のダリ作品の専門家を集めダリ作品とそれらを所蔵する劇場美術館の関係についての考察。
《2004年秋》 フィゲラス/ダリ美術館 
住所:Placa Gala-Salvador Dali 17600
Figueres

ダリ・イヤー記念出版物

【ドン・キホーテ-Don Quijote】
ミゲル・デ・セルバンテスの「ドン・キホーテ」が ダリのイラスト入りで、998冊限定販売されます。イラストは、英語版文庫本「ドン・キホーテ」の出版用に1945年にダリが手がけた38作品 で、当時のイラストサイズのまま掲載されています。

出版:2003年10月
ガラ・サルバドール・ダリ財団/プラネット・グループ社

【理論的カタログ-Catalogo Razonado】
このダリの作品紹介カタログは、ダリ研究所による長年の作品研究報告をまとめたもので、ダリの全作品を技法別、年代別に紹介。2004年出版される第1巻は、ダリの初期から1930年までの作品を集録、翌年以降に第2巻から第5巻が出版される予定です。

出版:2004年 ガラ・サルバドール・ダリ財団
【作品全集?Obra Completa】
ダリが15歳(1919年)から晩年期までに執筆 した作品を、スペイン語とカタルーニャ語で全8巻にまとめたもの。第1巻と第2巻はダリ の白黒の挿絵入りの日記や思い出などを集めた「自叙伝」集、第3巻は詩集、脚本、第4巻と 第5巻はエッセイ集、第6巻は20世紀の著名人 と ダリがやり取りした手紙、第7巻は「ダリとの会 話」と題されたダリのインタビュー特集、第8巻は「ダリのアルバム」と題されダリの年代記やイラスト、写真を紹介します。
  出版:2003年11月〜2006年 
  ガラ・サルバドール・ダリ財団/デスティーノ出版

【ダリと映画−DALI Y LAS SOMBRAS     ELECTRICAS】
ダリが直接製作した映画だけに限らず、彼が生きた時代、生活環境に関連のある映画上映会。「ダリの映画作品」、「ダリ作品を素材と して製作された映画」、「ダリが絶賛した映画」、 「ダリまたは作品と関連のあった映画」 と、 4つ のテーマに分けられた映画の上映会です。
 2004年1月〜3月  カタルーニャ・フィルム・ ライブラリー (FILMOTECA DE CATALUNYA)     
住所:Avinguda de Ssarria, 33 08029  
 Barcelona TEL: 93-410-7590
* 一部フィゲラス、ヘロナ、タラゴナ、レリダ、オロット、テラサ、ビック、マンレサで上映する計画あり。

記念コンサート/フェスティバル

【記念コンサート-Concierto Conmemorativo】
1974年ダリ劇場美術館創設を記念して音楽家Ernesto Halffeterが讃歌を作曲。生前ダリはこの曲がバルセロナ市民交響楽団によって演奏されることを希望しており、これが実現するコンサートです。
《2004年5月8日22:00〜》
フィゲラス/エル・ジャルディ市民劇場
住所:Placa Joseph Pla, 2 17600 Figeres


【ペララーダ城フェスティバル】
ダリ生誕100周年を記念して、今年のペララーダ城のサマーフェスティバルはダリが手がけた音楽・演劇作品を中心に開催されます。

〈三角帽子とカフェ・デ・チニータス〉
「三角帽子」はマヌエル・デ・ファリャの音楽で、 ロンドン初演のバレエ組曲。 ロンドン公演の背景幕・衣装デザインはピカソが担当、後のアメ 
 リカ公演ではダリが担当。 「カフェ・デ・チニータス」は13曲のスペイン大衆的音楽を集結したバレエ組曲で、ダリの親友の 一人、スペイン市民戦争で暗殺された詩人フ ェデリコ・ガルシア・ロルカに捧げられています。


〈ラビリンス、バカナル、トリスタン〉
シューベルトの“交響曲第7番”を音楽に「ラビリンス」、ワーグナーの歌劇 “タンホイザー”にて「バカナル」、同じくワーグナーの“トリスタンとイゾルデ”抜粋にて「トリスタン・マッド」の上演。各バレエの背景幕・衣装は、アメリカ滞在中のダリが担当したものを再現。

〈サロメ〉
ダリが舞台美術・衣装を担当したR.シュトラウ
スのオペラ〈サロメ〉の上演。 1949年ロンドン 「コヴェント・ガーデン」で上演されたこのオペラ の演出はピーターブルックが担当。
《2004年夏》 ペララーダ城 
住所:Carrer Sant Joan s/n, 17491 Peralada

その他のイベント
フィゲラス
ダリ・イヤーの期間中フィゲラスの町並みは特別なイルミネーションでライトアップされます。
ダリの生家の外壁のリニューアル。(ダリの生家は20世紀前半に建築家Josep Azemarによって建築されたものです。)
2004年5月11日ダリの誕生日には生誕百周年を祝う盛大なパーティーが開催されます。
2004年5月22日ダリ美術館において国立宝くじの抽選会が行われます。
マドリッド
2004年秋以降、特別展示 【ダリ、ロルカ、ブニュエル:マドリッド、パリ、ニューヨーク(1917-1936)】が開催されます。

ダリ・イヤー2004 インフォメーション
* ダリ劇場美術館:  Placa de Gala-Salvador Dali 17600 Figueres
Tel.: 972-67-7500 FAX: 972-50-1666
* フィゲラス観光案内所:  Tel.: 972-50-3155
* パラウ・ロベルト カタルーニャインフォメーションセンター:
Passeig de Gacia, 107 08008 Barcelona
Tel.: 93-238-8091/92/93 FAX: 93-238-4010
ダリ・イヤー事務局
ガラ・サルバドール・ダリ財団 
住所:Torre Galatea Pujada del Castell, 28 17600 Figueres
Tel.: 972-67-7514 FAX: 972-50-1666
U.R.L.: www.salvador-dali.org  E-mail: centreestudis@dali-estate.org

                    

 Spain Menu | HOME