『スペイン観光とスペイン情報』   2009 8
(内容)
−《ア・コルーニャの『ヘラクルスの塔』が世界遺産に登録される》
−《バルセロナ・プラット空港》
−《バルセロナ・ピカソ美術館、個人客向け入場券ネット販売開始》


ア・コルーニャの 『ヘラクレスの塔』 が世界遺産に登録される 》   これでスペインの世界遺産は、全41ヶ所

スペイン北西部のガリシア州にある都市ア・コルーニャ(A Coruna)。
古くから港町として 賑わうこの町は、陽光が反射して光り輝くガラス張りの建物が多いことでも有名で、別名『ガラスの街』としても知られています。今回世界遺産に指定された「ヘラクレスの塔」は、 この町の旧市街地から2kmほど離れた岬にそびえています。

【ヘラクレスの塔の概要】
ローマ時代に建てられた灯台で、長い間放置されていたものを18世紀に改修したもの。現存するローマ時代からの灯台としては世界唯一。高さ59mの塔は、海抜約60mの 岬に立ち、現在も海上交通の保全に重要な役割を果たしています。現在博物館となっている内部は見学可能で、234段の階段を上ると、素晴らしい眺望が楽しめる展望台が あります。また、2008年9月から、アメリカ・ニューヨークの「自由の女神」と姉妹提携を結んでいます。ヘラクレスの塔の詳細は 次のコーナーで。

【ヘラクレスの塔のアクセス・見学】
住所 Avda. de Navarra s/n 15002 A Coruna TEL +34.981.223.730 URL www.torrehercules.org (スペイン語) アクセス ア・コルーニャの旧市街地から約2.5km。マリア・ピタ広場近くの港からトランビア(路面電車)を利用。 見学時間 10月〜3月 毎日10:00〜18:00 4月〜6月・9月 毎日10:00〜19:00 7月・8月 月〜木曜・日曜の10:00〜21:00、 金曜・土曜の10:00〜00:00 * 最終入場は閉館の15分前 入場料 一般 2.5ユーロ (20名以上のグループ:1.5ユーロ)

【ア・コルーニャの街】
ア・コルーニャ市は、サンティアゴ・デ・コンポステーラがあるア・コルーニャ県の県庁 所在地。サンティアゴから電車で約1時間(約1時間に1本)と近く、日帰りデスティネーションとしても人気が高い港湾都市です。 旧市街地では、中庭の美しいサンタ・マリア・ド・カンポ教会などが目を引き、町の中心として賑わうマリア・ピタ広場には重厚な市庁舎が建っています。海沿いを歩くと、まるで 孤島のような岬があり、歴史考古学博物館が置かれるサン・アントン城があります。また、ガラス窓を多く使ったモデルニスモ建築も多い町です。市街地から少し離れると、沿岸部には海岸遊歩道が設けられており、サイクリングやウォーキングを楽しむこともできます。近代アートも盛んで、「ヘラクレスの塔」一帯には、複数の彫刻オブジェが屋外に展示 されています。 古くから漁港として栄えたア・コルーニャでは、市場を覗くのもお勧めです。市場は通常 日曜・祝日以外の午前中(08:00頃〜14:00頃)に営業しています。 ア・コルーニャ観光局公式ウェブサイト www.turismocoruna.com (英語)


ヘラクレスの塔 (Torre de Hercules)
【歴史】
ア・コルーニャの湾岸の歴史は、ケルト民族の定住によって始まります。そして
トラヤヌスがローマ皇帝に君臨していた2世紀頃、ローマ人はその好立地に 注目し、鈴や銅、鉄を求めてイギリス領の島々へ向かう船舶を誘導するための灯台として「ヘラクレスの塔」を建設しました。しかし5世紀頃、ノルマン人の 侵略を受けたこの地の人々は内陸部へと逃れ、この港町を去りました。 13世紀に入ると、当時のスペイン国王アルフォンソ9世によって港周辺の復興が始まり、町は『クルニア』(Crunia)の名で呼ばれ、海上貿易の発達と共に 大きく成長しました。しかし「ヘラクレスの塔」は、使用されることなく放置され続け、16世紀には塔の石材の 多くが、今もこの町にあるサン・アントン城や城壁の建材として再利用されたと言われています。「ヘラクレスの塔」が再び脚光を浴びるのは、18世紀、スペインがアメリカ大陸やヨーロッパ諸国と海洋貿易を活発に行って いた時代です。当時のスペイン国王カルロス3世の許可を得て、1788年から1791年にスペイン・エクスト レマドゥーラ州出身の建築家エウスタキオ・ジャンニーニ(Eustaquio Guiannini)の手で塔の復旧工事が行われ、現在の姿に生まれ変わりました。
【建物】
ローマ時代に建てられた当初は四角い塔で、最上階の三階には松明が灯されるドームが設けられていました。外部から各階へ階段かスロープが設置され、直接入ることができていたと考えられています。この仕組みを利用して、外から持ち込んだ薪を屋上階へ運び入れていたと言われています。 ローマ時代の面影は外観にはほとんど見られませんが、内部はその遺跡が展示される博物館となっています。現在の塔は、ローマ時代の塔に花崗岩の石板を張り、補強され大きくなった18世紀のネオクラシック様式の 建物。新たに扉や窓を配置し、内部には展望台へ登る234段の石畳の階段が設けられています。また、最上階のドーム部分も取り壊して設置された八角形の小塔部分には、灯台のライトが設置されています。 塔の高さは59mで、海抜約60mの岬にそびえています。展望台からは、ア・コルーニャ市街をはじめ、遠くにはサダ島、ベタンソス島、アレス島やフェロールの町などの眺望を楽しめます。毎晩点灯される灯台のライトは、 毎20秒に4光の白光を放ち、36kmの距離遠方からも確認することができます。また日中でも、霧などで視界が悪いときは、10km強の距離まで聞こえる注意音を出し、ア・コルーニャ沿岸部の安全航行に重要な役割を 果たしています。
【伝説・言い伝え】
「ヘラクレスの塔」に関しては、長い歴史のなかで、多くの伝説や言い伝えが語り継がれてきました。 ア・コルーニャの原点 スペイン国王アルフォンソ10世の年代記の記録によると、この地域の住民はゲリオンという名の巨人に支配され怯えていた。ゼウスの息子のヘラクレスは、住民を助けるためこの巨人と戦い、3日間の長期決戦の末に勝利したヘラクレスは、巨人の首を埋葬した場所に、勝利を記念する塔の建設を命じた。 ブレオガン王 12世紀にケルト人修道士が書き記した「侵略記」には、ブレオガン王によりブリガンティアという町が 築かれ、大きな塔が建てられたとある。その塔こそ、ヘラクレスの塔。ブレオガン王の息子の一人は、 空気が澄んだ冬の一夜、その塔からうっすらと見えた島の侵略に挑んだ。彼の敗北の敵討ちにと、彼の弟が大群で攻め入り、当時ダーナ神族が暮らしていたその島を治めることに成功する。 鏡の歴史 ヘラクレスの甥のヒスパン王は、賢い人物として有名。彼は、ヘラクレスの塔の上に鏡を設置することで、一般市民にも岸に近づく船舶が敵か見方かを見分けられるようにしたと言われている。
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《 バルセロナ・プラット空港 》
新ターミナル T-1    6月中旬にバルセロナ・プラット空港に新しいターミナルT-1が オープンしました。下記は、主な航空会社の発着ターミナルです。また、T-1は従来のターミナルから離れた場所に位置しています。あわせて、T-1へのアクセスをご紹介します。利用する航空会社によってターミナルが異なります のでご注意下さい。 バルセロナ空港の詳細: スペイン航空局ウェブサイト www.aena.es (英語・西語) T-1 利用航空会社 (一部のみ) JK Spanair LH Lufthansa LX Swiss Int. Airlines OS Austrian Airlines SK SAS Scandinavian SN Brussels Airlines TP TAP Portugal MS Egyptair TK Turkish Airlines T-2 (旧ターミナルT-A、T-B、T-C)利用航空会社 (一部のみ) AF Air France AZ Alitalia AY Finnair (2) BA British Airways IB Iberia KL KLM Dutch Airlines UX Air Europa (1) XG Clickair U2 Easy Jet (1) Spanair運航便を除く (2) Brussels Airlines運航便を除く T-1へのアクセス バルセロナ市内 【空港シャトルバス Aerobus】 カタルーニャ広場 ⇔ 空港各ターミナル。 約15分間隔で運行。
【スペイン国鉄RENFEの近郊線Cercanias】 C2番線 バルセロナ・サンツ駅⇔空港駅(T-2) 従来のC10番線は工事中。空港駅からT-1行きシャトルバスを利用。
【タクシー】 約200台が待機。市内まで約30ユーロ、所要時間約30分(交通量によって異なる)。 空港駅シャトルバス 到着する列車に合わせて(30分間隔)、T-2の空港駅⇔T-1のシャトルバスを運行。 出発階(4階)と到着階(1階)の2ヶ所に停車。所要時間は約10分。 ターミナル巡回バス 所要時間約10分で、T-1とT-2を結ぶバス。6〜7分間隔で運行。
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《 バルセロナ・ピカソ美術館、個人客向け入場券ネット販売開始 》
バルセロナ・ピカソ美術館では、公式ウェブサイト上で個人客向けの入場チケットのネット販売(クレジットカード 決済)を導入しました。サイトは英語かスペイン語で、1度に9名分(16歳以下も含む人数)のチケットが購入でき ます。手順としては、Genral Fee(常設展+特別展で9ユーロ)かExhibition Fee(特別展のみ)かを選択し、見学 希望の日付と30分単位での入場時間を選択し、次に氏名やクレジットカード情報などを入力します。尚、当日は、 選択した入場時間を30分以上過ぎると、チケットは無効となります。また、購入後の変更やキャンセル・返金は できませんのでご注意下さい。 バルセロナ・ピカソ美術館公式ウェブサイト www.museupicasso.bcn.es (英語) 尚、グループ予約(10名以上)は、上記ネット予約の対象にはなりません。これまで同様にメールで予約依頼が 必要です。 グループ予約: museupicasso_reserves@bcn.cat
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《 サッカー 中村俊輔選手 & ハンドボール 宮崎大輔選手 》
● 中村俊輔選手がバルセロナの 「エスパニョール」 へ移籍 ● 移籍先は、スペインサッカー1部リーグ「リーガ・エスパニョーラ」のRCD Espanyol(エスパニョール)。バルサと同じくバルセロナを本拠地とするチームです。これまでモンジュイックの丘のオリンピックスタジアムに拠点を置いて いましたが、今年9月に始まる今シーズンからバルセロナ郊外に建設中の新スタジアムをホームとします。 RCD Espanyol(エスパニョール)の新しいホームスタジアム コルネヤ・デ・ジョブレガット(Cornella de Llobregat)とエル・プラット・デ・ジョブレガット(El Prat de Llobregat)の 二つの町の中間辺りに位置。バルセロナから約13km。オープン前につき、現状スタジアムへの公共の交通機関はなし。バルセロナからは、タクシーで約15分(約25ユーロ)。最寄駅は、カタルーニャ鉄道のアルメダ駅(Almeda)で、バルセロナ・スペイン広場発着(S33, S4, S8, R5, R6, L8.番線)。リーガ・エスパニョーラの開幕は、8月30日! RCD Espanyol 公式サイト http://www.rcdespanyol.com/ (西・英語)
● 宮崎大輔選手がマドリッドの 「アルコベンダス」 へ移籍
● 男子ハンドボールのリーグは、「ASOBAL」(アソバル)と呼ばれ、今秋から始まる今シーズンは9月12日〜 5月15日(主に土曜)に行われます。今回宮崎選手が移籍するチームは、BM Alcobendas(アルコベンダス)。 マドリッド市内中心部から約15km郊外にあるアルコベンダスという町に拠点を置くチームです。 BM Alcobendas(アルコベンダス)のホームスタジアム アマヤ・バルデモロスタジアム(Pabellon Amaya Valdemoro)は、マドリッドから北に約18kmのアルコベンダス という町に位置。タクシーを利用すると約30ユーロ。バスの場合、マドリッドのカスティーヤ広場バスターミナルから近郊バス157番線を利用。 住所:Carretera de Barajas, Km 1.4 Alcobendas(Madrid) BM Alcobendas公式サイト http://balonmanoalcobendas.org (西語) ***********************************************************

《 今秋開催の 「Valencia Open 500」 にトッププレーヤーが参戦 》
2009年10月31日〜11月8日、バレンシアでテニスのツアー公式戦「Valencia Open 500」が開催されます。 参加プレーヤーはまだ発表されていませんが、世界ランク10位以内のアンディ・マレーとアンディ・ロディックの参加が決定しています。また、開催地バレンシア州出身の二人のプレーヤー、ダビッド・フェレールとフアン・カルロス・フェレーロも参加を表明。近代建築が建ち並ぶ「芸術科学都市」に新しく建設中の「アゴラ(Agora)」が会場となります。 公式サイト・チケット詳細 www.valenciaopen500.com (西・英語)
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《 観光ブランド 「コスタ・ブラバ」 設立100周年コンサート 》
今年は、バルセロナから北のフランスまでの沿岸部が「コスタ・ ブラバ」と命名されてから100周年を迎えます。コスタ・ブラバ観光局ではさまざまなイベントを行ないますが、その一環として、コンサート「音楽の夜」が催されています。「音楽の夜」では、趣きある小さな村や古い修道院、庭園など、コスタ・ブラバのさまざまな会場を舞台に、クラシック音楽やサルダーナス(カタルーニャ地方の伝統舞踊)などが 繰り広げられます。プログラム詳細及び各種イベントは、下記コスタ・ブラバ観光局100周年記念ウェブサイトへ。 www.costabrava100.org (西・英語)

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